「バナー広告」とは

皆さん、「バナー広告」は、インターネットの広告では、かなり以前から使われている言葉ですので、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
また、インターネットを利用していれば、必ずご覧になったことがあるでしょう。インターネットの世界では、前回紹介した「コンテンツ連動型広告」などの登場で、「バナー広告」という手法そのものが「古い」と思われていたこともありますが、最近、少し事情が変わってきましたので、取り上げてみようと思います。「バナー広告」として真っ先に思い浮かべるのは、Yahoo!などのページに掲載された、横に細長い広告ではないでしょうか?J-CASTニュースのページでも一番上に横長の「バナー広告」が掲載されています。

しかし最近では、そうした横長の「バナー広告」だけではなく、正方形に近いものや、縦長の「バナー広告」も見られるようになってきました。
おなじJ-CASTニュースの画面右側に表示されている正方形に近い形ものも「バナー広告」です。
これは「レクタングル(矩形)広告」とも呼ばれ、形がテレビの画面に近いため、動画の広告に適しています。
一方、縦長は「スカイスクレーパー(摩天楼)広告」とも呼びます。こちらは画面をスクロールさせても表示され続けるため、より目立つという特徴があります。

「バナー広告」は、ウェブサイトを訪問した全ての人に見せるための広告ですから、「コンテンツ連動型広告」などに比べて、「インプレッション」は高くなります。
反面、全てのウェブサイトの訪問者が、その「バナー広告」に興味があるとは限りませんから、「バナー広告」がクリックされる確率はどうしても低くなります。

しかし、最近では、上記の様々な形態の「バナー広告」や、Flashを用いた動画表現で、見た人の印象に残る「バナー広告」が多くなり、クリック率も向上しているようです。
インターネット動画広告を見た人を対象とした調査では、掲載されているバナー広告をクリックしたユーザーが60%以上もいるとの結果も出ています。(ウェブマーケティングガイド社の調査による)

実際に、私がネット関連のニュースサイトを閲覧している時によく見かけるIBMの「動画バナー広告」は、ストーリーがあり引きつけられるので、ついつい最後まで見てしまいます。そして、その続きを知りたいと思ってしまうので、クリックすることも少なくありません。

IBMの「バナー広告」のターゲットは、大企業のシステム担当者ですが、私のようなターゲットでないものまでクリックしたくなるように、「バナー広告」そのものが魅力的なコンテンツとして作られているのです。

さて、携帯電話でのウェブ広告の事情はどうでしょうか。

画面のサイズに制限のあるため、携帯電話サイトの広告は「バナー広告」がほとんどですが、Flash動画が再生可能な携帯電話の所有率が80%を超えるとの調査(エムレポート社調査)もあることから、「バナー広告」に動画の使用が広がりつつあり、アトラクティブな広告が増えると予想されています。

すでに、Yahoo!は2008年1月にトップページをリニューアルし、動画バナー広告の掲載スペースを設けることを発表しています。

このように、PC、携帯電話のウェブサイト両方で、あらためて「バナー広告」の注目度が高まっているのが最近の状況です。

では、この「バナー広告」、医薬品マーケティングではどのように利用すればよいでしょうか。

医療従事者がよく閲覧するウェブサイトやポータルサイト上に、「バナー広告」を掲載することは当然ですが、動画を使った、アトラクティブなコンテンツを作成する必要があるでしょう。

先に紹介したIBMの「バナー広告」のように、ストーリー性を持たせたり、クイズが最後に表示されてクリックしたくなるような仕掛けを持たせることで、クリック率を高めれば、自社のウェブサイトに来ていただける可能性が広がります。

医療消費者向けのDTC広告の場合は、生活習慣病のような疾患の啓発には、非常に効果があるのではないかと思います。

生活習慣病のように自覚症状のないまま進むような疾患の場合、患者さんは疾患について調べるという行動を起こすケースは少ないため、「キーワード連動型広告」や「コンテンツ連動型広告」では、目に触れる可能性が低いですが、「バナー広告」なら目に触れる機会があるでしょう。
もちろん、この場合も動画など、ユーザの興味を引きつける「クリエイティブ」がポイントとなります。

このように、ターゲットによって広告の種類を使い分けることで、ウェブサイトを通じた情報提供が効果的に行えるのではないでしょうか。

一度は「古い」手法だと思われていた「バナー広告」ですが、動画を使うなど、見た人の興味を引く広告として再注目されています。
この新しい形の「バナー広告」を医薬品マーケティングで利用している例は、まだ見たことがありませんが、広く人に見てもらえるというメリットを生かした、新しい「バナー広告」をご検討されてはいかがでしょうか?