今週は、フラッシュマーケティングを取り上げます。
フラッシュマーケティングとは、割引価格や特典がついたクーポンを期間限定でインターネット上で販売する手法で、概ね、24~48時間程度の短時間に集客・販売を目指すものです。
簡単にえば、TwitterやFace Bookなどのリアルタイムのソーシャルメディアを利用し、瞬間的に見込み客にタイムセールや共同購入の情報を拡散し、「お得感」を演出して、販売にまで直結させるマーケティング手法です。
スマートフォンの普及によって、最近、より活発に利用されています。
米国の「Groupon」が有名ですが、日本国内でも「piku」や「Kaupon」を始めとする類似サービスが、たくさん生まれています。
フラッシュマーケティングは、フラッシュが光るような短期間で実施することから、このような、名称がついたそうです。
この手法は大きく分けて2種類あります。
1)共同購入型クーポン
「24時間以内に100人の購入者が集まれば、1万円相当のサービスの50%OFFクーポンを提供」というようなもので、一定時間内に一定数が揃えば、購入者は割引クーポンがもらえます。
GROUPON、piku、KAUPONなどが有名で、主に、飲食・美容・レジャー系の店舗がクーポンを出すことが多いようです。
2)ショッピングモール型・ファミリーセール型
制限時間内に、クーポンではなく、商品を割引で販売する、まさにタイムセールで、ウェブ販売で、活用しやすいタイプです。
商品は、1商品に限定せず、複数商品が対象となるケースが多く、利用者は、共同ではなく自分主導で商品が購入できます。
この手法を用いたサイトとしてはGUILT(ギルト)が有名で、高級ブランド品などを割引価格で提供しています。
本来、フラッシュマーケティングのコンセプトは、価格よりも、「こんな良い商品がこんなに安く買える」といった意外性や、「皆で購入を申し込めばお得に買える、みんな集まろう!」といった体験価値にありました。
売り手側にとっては、「扱ってる商品・店舗のイメージを崩すような、安易な安売りは避けたい」、「ブランドイメージも崩したくない」といった思いの一方で、過剰在庫の製品を販売したい場合など、店舗での値引き販売よりも、短期間集中型のフラッシュマーケティングを行う方が、イメージを損ないにくいといったメリットがあります。
しかし、昨年末に起こったおせち料理の品質問題など、「安かろう、悪かろう」の商品が販売されば、一瞬でその商品価値を下げてしまいます。
また、1つでもそうしたことがあれば、他の商品への影響があったり、商品だけでなく手法の価値も下がります。
さらには、「意外性」「体験価値」がコンセプトであっても、この手法は、大幅な割引によるお得感が根底にあるので、買い手が、この仕組みに慣れてしまえば、価値は減ることになります。
他にも、情報を知らない人や定価購入した人が持つであろう不公平感、そしてそれらが結果的にブランドイメージに悪影響を与える可能性もあります。
一瞬で新規の顧客を集めたり、認知度を広めたりする手段としては、一定の価値はありそうですが、多用したり、長期的に実施すれば、ブランド価値を下げてしまうような気がします。
医薬品マーケティングでは使える手法ではありませんので、この手法が直接的な参考になることはあまりないと思いますが、こうした新たな手法やモデルのメリット、デメリットを考えることで、医薬品マーケティングの手法や手段を考えるヒントを得られるのではないでしょうか?