USJの躍進の鍵!良い戦略の条件「4S」とは?

メディアをにぎわすUSJのV字回復と快進撃。
それを仕掛けているUSJのCMO(Chief Marketing Officer)である森岡 毅氏の『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』を読みましたが、改めてマーケティングの奥深さを考える良い機会になりました。
  
戦略やマーケティングをUSJの実例を通して、非常にわかりやすく綴った1冊で、「理論」だけでなく、実務家が理論と経験に裏打ちされた内容で非常に面白く説得力のある著書でした。

そこで、今回は本書の中で紹介されていた良い戦略をチェックする「戦略の4S」について取り上げます。
この4Sは医薬品マーケティングを「戦略的」に考える道具としても使えそうです。

「戦略」とは「戦う土俵を決めること」「登る山を決めること」にも例えられます。
つまり、野球で頑張ると決めれば、サッカーは捨てなくてはいけませんし、富士山に登ると思えば、それ相応の方法(戦術)が必要です。

また、戦略とは「選択と集中」とも言われます。

戦略の4Sとは?

Selective:
やることとやらないことを明確に区別できているか?

まずは、自社の戦略は定義の通り「やることとやらないことを明確に区別できているか?」をチェックすることが最初のポイントです。
やらないことを決めることで、やる範囲が狭められ、その戦局で勝つ確率が高まります。

Sufficient:
経営資源がその戦局での勝利に十分であるかどうか?

続いて、選んだ土俵で勝てるか?
選んだ山の登頂に可能な資源があるかどうかも大きなチェックポイントです。
つまり、戦略を実行して、目指す目標に達成できるのか?ということです。

著者は、このSufficientとSelectiveを、「双子の関係」に例えています。
つまり、もし戦略がSelectiveであれば、Sufficientになっているはずで、Sufficientでないなら、Selectiveでないので戦略を見直しことになります。

Sustainable:
立てた戦略が、短期ではなく中長期で維持継続できるか?

これは持続性に関するチェックポイントです。
競合がすぐ真似ることができない戦略かどうか、自社の経営資源の持続が可能かがポイントです。
また、環境変化や技術変化などで、業界の競争ルールが変わる可能性なども考慮にいれることも大切です。

Synchronized:
自社の特徴を有利に活用できているかどうか?

これは、SWOT分析で言うところの「自社の強み」と「市場機会」のマッチングと同じことです。
競合との相対的な関係で、自社の特徴を有利に活用できればできるほど、戦略がうまくいく可能性は高まりますね。

著者は、この4つがすべて満足できる戦略は少なく、良い成果を生むものは経験的に、「あてはまるのは3つ程度」「どれか1つが突出している」ことだと論じています。

この戦略の4Sは、わかりやすくて使いやすい道具だと思います。
自社の医薬品マーケティングの戦略プランのチェックにも、この「戦略の4S」をチェックツールとして使ってみてはいかがでしょうか?

この記事が、医薬品マーケティングやDTCマーケティングのお役に立てれば幸いです。