「行動ターゲティング」とは

今回は「行動ターゲティング」について取り上げます。

「行動ターゲティング」とは、最近のウェブサイトでよく使われる手法の一つで、以前に解説した「レコメンド」と考え方がよく似ていますので、今回、比較をしながら解説してみようと思います。

「レコメンド」機能とは、ウェブサイトのユーザを、年齢、性別、ライフスタイルなどの属性で分類し、「同じ属性の人は同じ嗜好を持つ可能性が高い」という推測に基づいて、ウェブサイトへの表示やメールで送る情報を、ユーザごとに変化させるというものです。
つまり「A」という本を買った人は「B」という本もよく購入するので、あらたに「A」を買う人に「B」をオススメする機能で、『「属性」が同一であれば「趣味」、「嗜好」が類似するであろう』を前提に、情報提供する方法です。
これが医薬品マーケティングのウェブサイトであれば、「外科の開業医」と「内科の勤務医」が、同じウェブサイトを訪問した時に、各医師と同じ属性の先生方が、これまでによく閲覧したコンテンツを目立つように表示したり、メールでその情報を推奨するということができます。

「レコメンド」機能を備えたウェブサイトは、表示される情報がユーザにとって興味がある可能性が高く、「気の利いたウェブサイト」と感じることを目的に設計されているのです。

一方の「行動ターゲティング」ではユーザの個人の閲覧履歴をウェブサイトで取得し、その情報の蓄積に基づき、情報・コンテンツを表示するのです。
属性によって表示する内容を変化させる「レコメンド」と比べ、ウェブサイトに表示される情報がより個別のユーザにパーソナライズされることになります。

現在、「行動ターゲティング」はYahoo!の広告表示で導入されています。
Yahoo!では、過去の検索履歴を、個別に蓄積・保存しています。その情報に基づいて、旅行関連をよく検索する人には旅行会社の広告を、株価や為替のニュースをよく見ている人には金融商品の広告を表示させるのです。

ここで、「レコメンド」と「行動ターゲティング」の違いを整理してみましょう。

「レコメンド」の場合は、ユーザの属性がわかっていれば、初めての訪問でも同じ属性の人が好む情報であれば表示させることが可能です。
つまり、情報提供側の「同じ属性の人は同じような情報を見たいと考えている」との「推測」に基づく情報提供です。

「行動ターゲティング」は、個々の履歴を分析しての情報表示ですので、そのユーザの過去の閲覧履歴が必要です。つまり「推測」ではなく「行動」に基づく情報提供というわけです。
そのため、ウェブサイトを初めて訪問した人や、あまり閲覧履歴がない人には、パーソナライズされた情報がうまく提供できないこともあります。
しかし、閲覧するユーザのアクセス情報が蓄積されればされるほど、提供できる情報やコンテンツの「パーソナライズ」度合いは高まります。

このように、「レコメンド」と「行動ターゲティング」は、どちらもユーザが興味を持つ可能性の高い情報を提供するための仕組みですが、推測に基づく場合が「レコメンド」で、個別のユーザの閲覧履歴に基づくものが「行動ターゲティング」です。

では、この「行動ターゲティング」を医薬品マーケティングにおいて、どのように活用できるでしょうか?

医薬品マーケティングのウェブサイトが会員制で、個別のユーザのアクセスログを取得している場合ですと、医師ごとに、関心のある分野やコンテンツを分析することで、「行動ターゲティング」の導入は可能です。

一人ひとりに、より興味を持ちそうな情報やコンテンツを提供することで、そのウェブサイトのホスピタリティに満足する可能性は高まるでしょう。
さらに、提供された情報を精読してもらえる確率も高まりますので、自社製品の採用や処方につながる可能性が大きくなることも期待できます。

さらに、この「行動ターゲティング」の情報は、医師個々の関心のある分野やコンテンツを取得することになるため、現場のMRにフィードバックすることで、より効果的な情報提供に活用することができるでしょう。

今後、医薬品マーケティングにおいても、医師にとって便利な機能を備えたウェブサイトの必要性がますます高まるでしょう。
ホスピタリティに満ちたウェブサイトを構築するには、「行動ターゲティング」のような、最新テクノロジーの導入を検討されてはいかがでしょうか。

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「行動ターゲティング」サービスの提供にあたっては、ウェブサイトにアクセスいただいた方のデータベース、定期的なユーザごとのアクセスログの取得と解析、ユーザごとのウェブサイトにおける行動のトレーシングといった機能を持ったウェブサイトが必要です。

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