医薬品業界でも可能?サブスクリプションモデルとは?

さて、今回のテーマは、「サブスクリプションモデル」。

居酒屋チェーンの「アンドモワ」が、
「ONE MONTH MOWA PACK(ワンマンス モワ パック)」という名称で
居酒屋業界初となる『月額定額制飲み放題サービス』を開始したことから、
「サブスクリプションモデル」という言葉が加速的に広がりました。

サブスクリプションモデルとは、サービスや商品1つ1つへの課金ではなく、
利用期間に対して支払いをする形式です。

つまり、月額制や年額制などの料金設定のことです。
従来からもあったモデルですが、
今、企業の収益向上の手段として注目されています。

有名なところでは、「Amazonプライム」。
年間3,900円の「定額」を支払えば、送料無料、お急ぎ便、音楽聴き放題、
動画見放題のサービスが受けられます。
他では、サーバー管理費やスポーツジムなどの会費も
サブスクリプションモデルです。

今回、この言葉が広がったのは、何といっても冒頭で紹介した
「ONE MONTH MOWA PACK(ワンマンス モワ パック)」の登場。

30日で3,000円、60日で5,000円、90日で7,000円、180日だと13,000円で
カードを買えば、期間中に250種類のドリンクが飲み放題。
30日のカードの場合でも、生ビールを月6杯以上注文すれば
お得になるサービスです。
毎週1回で通って、2杯ずつ飲めば十分元が取れますし、
5杯飲めば月20杯なので1杯150円です。

これで採算がとれているようですが、肝となるのは、

・リピート回数
・料理での利益

です。

一度カードを買えば、使わないともったいないという意識が働き、
自然と来店回数が増えてきます。
もう1つは、お酒が安くなることから、
料理のオーダーのランクアップや品数が増えることです。

お酒だけでは収益につながらなくても、
トータルでの収益がプラスになるので、OKのようです。

アンドモワの場合は、業界初だったこともあり、
メディアのPRによる集客効果もあったかもしれませんが、
現時点では成功しているようです。

従来、サービスや商品の内容的に不向きと考えられていた
居酒屋のサブスクリプションモデルが成功すると、
他業界でも登場してくることが考えられます。

サブスクリプションモデルの適用に際しての
ポイントは3つだと言われています。

・サービスの持続性

提供するサービスを継続して使い続けるユーザーが
一定数見込めることが大前提です。
先ほどのアマゾンでは、すでに固定ユーザーがたくさんいました。
また、サービス開始前に膨大な顧客の購買データがあったので、
シミュレーションもできていたでしょう。
一方、居酒屋は本来難しいと考えられていましたので、
トライアル的に1店舗だけで小さくスタートしました。
この点の見極めがポイントですね。

・サービスの購入(使用)頻度

これも持続性と同じで、一定期間に顧客が利用する、
あるいは購入するレベルで利益が見込めるかどうかがポイントです。
また、顧客の手間を省いたり心理的なメリットを提供することで、
頻度が増やせるモデルを構築できるかどうかも重要です。

・先行企業や競合他社

自社の製品・サービスの競合他社がサブスクプリプションモデルを
実施しているかどうかもポイントです。
実施していれば、収益が上がっていることがわかりますが、
先行企業といかに差別化するかが大切です。
実施していなければ、チャンスとなる可能性はありますが、
そもそもサブスクリプションモデル適応が不可能な場合もあります。

果たして、このサブスクリプションモデルは
医薬品業界では適応可能なのでしょうか?
医薬品は病気を治す手段なので、常識的には難しいですね。

ただ、医療機器などでの診断やサプリメントなどになれば
全く不可能とは言えないでしょう。
今の「非常識」も数年経てば、「常識」になることはあります。

実施の是非はともかく、他業界の新しいビジネスモデルなどを参考に
医薬品業界での応用の可能性を考えたり、
新しい視点を持つことは大切ではないでしょうか?

このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。