コンテンツマーケティングによるSEOとDTCマーケティング-Part 5

さて、今回は「コンテンツマーケティングによるSEOとDTCマーケティング」のPart 5です。

前回、SEO対策を考える場合「一体、どんなキーワードを選べば良いのか?」の方法論を説明しました。それは、グーグルで提供されているいくつかのツールで「検索される言葉を活用した市場調査」を行うことでした。

前回はその手順の説明でしたが、今回は具体的な事例を取り上げます。

対象となる商品は「エイジングケア化粧品」で、キーワードは「ほうれい線」です。エイジングケア化粧品は、しみ・しわ、・毛穴や口元・目元の気になるエイジングサインをケアするものです。医薬品ではありませんので「治る」とはいえず、あくまで「現状維持」や「予防」的な使い方が基本です。

しかし、ユーザーは「乾燥」「毛穴」「シミ」など様々な「悩み」で検索します。もちろん、「化粧品」そのものを「解決策」として探している人、化粧品以外の解決策を探している人、情報を探している人などが入り混じっています。

化粧品の場合、「ブランド名」で探す人はがいますが、それ以外に自分にあったエイジングケア化粧品を探す場合は、何らかの肌の悩みや機能で探すケースが殆どです。

今回、そんな悩みの中でも、30代半ば以降の女性に多い「ほうれい線」を取り上げて、実際に「市場調査」をしてみます。

そのステップは、

Step 1 「ほうれい線」を気にする場合、どのようなこと気にしているのか?つまり、同時に検索するキーワードの種類は?

Step 2 それぞれのキーワードの市場の大きさは?つまり、キーワードの組み合わせで、検索ボリュームがどの程度あるか?

Step 3 その結果をどう解釈し、分析するか?

Step 4 SEO対策キーワードの選定

Step 5 選定したキーワードの最終チェック

の5つに分かれます。

今回は、Step 1からStep 3までを取り上げ、次回で、Step 4とStep 5を取り上げます。

Step 1 「ほうれい線」を気にする場合、どんなことを気にしているのか?

これは、「グーグルサジェスト キーワード一括DLツール」を使って、「ほうれい線」と入力すれば、簡単にできてしまいます。
http://www.gskw.net/

下記が、実際の検索画面です。
https://www.deepimpact.vc/pdf/20150706_GoogleSuggest_1.pdf

そして、それをダウンロードしたファイルの一部です。
https://www.deepimpact.vc/pdf/20150706_GoogleSuggest_2.pdf

※実際には、878種の組み合わせでした。

ここまでで、グーグルの検索画面の向こう側にいる女性達が、「ほうれい線」の「何?」を気にしているかが、大まかにわかります。

Step 2 それぞれのキーワードの市場の大きさは?

ここで言う市場の大きさとは「検索ボリューム」です。検索される数が多ければ多いほど、そのキーワードに関連する興味や悩みを持つ人が多いことになります。

これは、「キーワードプランナー」プランナーを使えば、一発回答!Step 1の「グーグルサジェスト キーワード一括DLツール」でダウンロードしたファイルをアップロードして、実行キーを押すだけでできてしまいます。

下記が、実際の検索画面です。
https://www.deepimpact.vc/pdf/20150706_GoogleSuggest_3.pdf

ダウンロードしたファイルの一部です。
https://www.deepimpact.vc/pdf/20150706_GoogleSuggest_4.pdf

※実際には、878種の組み合わせの結果が全て取得できます。

これを見ると色々なものが表示されていますが、SEO対策で必要なのは

・Keyword どんなキーワードか?

・Avg. Monthly Searches (exact match only) その月間の検索ボリュームは?

・Competition 競合の強さは?

の3つだけです。

ファイルから「Ad group」「Currency」「Suggested bid」「Impr. share」「In account?」「In plan?」「Extracted From」など、リスティング広告のプランニングには必要であっても、SEO対策の分析には不要な項目を削除すれば、準備完了です。

Step 3 その結果をどう解釈し、分析するか?

実際に頭と手を動かして考えるのはここからです。このステップこそが、SEO対策の対象とするキーワードを決める最も大切なプロセスなのです。

今、見ていただいた「ほうれい線」に関連する検索ワードの組み合わせは878種類ありました。この中で、検索ボリュームが表示されていないもの(月間10以下のもの)を除いても400種類弱です。

この400種を、1つ1つしっかり見て、「集合」に分類するのがここでの作業です。この作業は、「組み合わせ」を見て、「ニーズ」や「ウオンツ」の塊でくくると言うことです。

実際に、「準備完了ファイル」を使って「集合」を作ったのが、この「分析結果」ファイルです。カテゴリーを3つに分け「情報収集」「対策検索」「具体策」に分けました。

ここは過度に分類にこだわらず「エイヤ!」で問題ありませんし、わからないものは「?」とマークをつけておきます。

https://www.deepimpact.vc/pdf/20150706_GoogleSuggest_5.pdf

このデータを見ると、「ほうれい線」に関しては

・明らかに悩みがあって「対策」を求めている人が多い

・具体的な対策の「名称」を知っている人が多く、その詳しい情報を求めている人も多い

・化粧品ブランドや化粧品成分の検索もあり、スキンケア製品での対策を求めている人が一定数いる

・情報だけを探している人は、対策を探している人の1/4程度である

これらから、「ほうれい線」に関係するキーワードは、「悩み」「対策」関連の検索ボリュームが大きく、「ソリューションを提供する」、つまり、「解決できる商品を売る」には、非常に有効なキーワードであることがわかります。

この作業で、簡易な市場調査が無料できてしまうことがおわかりいただけるのではないでしょうか?

この手段は、医療者のような専門的な集団のニーズを探るには適していませんが、健康や病気、美容などの一般的な生活者のニーズや興味をある程度定量的に把握できます。

自社製品のDTCマーケティングに取り組む際は、まず、対象となる「疾患」や「症状」などをキーワードとして、同時に検索されるキーワードやそのボリューム等を、是非調べてみてはいかがでしょうか?

次回は、Step 4とStep 5の実例を紹介します。