「RIA」とは

今回はアルファベット3文字の言葉、「RIA」を取り上げます。
「RIA」とは「Rich Internet Application」の略語です。
これは、ウェブサイトのユーザインターフェイスを「Flash」、「Ajax」などの技術を駆使して、ユーザーの利便性を高めたウェブアプリケーションのことです。この説明では、わかりにくいので、まずは「RIA」とみなされているウェブサイトをご覧いただきましょう。

NIKE iDスポーツメーカーのNIKEのウェブサイトです。
ここでは「Flash」、「Ajax」という技術を用いて、自分の名前や好きな色を指定して、オーダーメードのシューズやスポーツウェアを注文できるようになっています。
シューズの色を選択すると、画面上ですぐにそのイメージが確認できるので、ユーザーにとって、自分がオーダーする靴を事前に、イメージしやすいように工夫されています。

オリックスVIPローンカード

こちらはカードの申し込み用のウェブサイトですが、「PIP」という技術を用いて、女性ナビゲーターが、わかりやすく申す込みを導いてくれるように設計されています。
その結果、ウェブにアクセスし、カードの申し込みをおこなおうと考えたユーザーが、途中でウェブから離れることなく、カードの申込みを完了する確率が高まっています。

これら2つのウェブサイトから、ユーザーの「使いやすさ」「わかりやすさ」「親しみやすさ」を向上させることが、ビジネス上の目的を達成することに大きな影響を及ぼしていることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

以前にこのコーナーで「Ajax」、「PIP」について解説しましたが、「RIA」とは、そうした新しい技術を用いて作成された、利用者が便利に使えるウェブサイトのアプリケーションの概念全体のことです。

利用者にとってのメリットは、便利に使えることで、
・入力するごとに画面が切り替わる・入力情報が参照できない、といったことがなくなり、入力のミスが減る。
・HTMLだけのウェブサイトに比べて、格段に多くの情報をウェブサイトで確認することが出来る。
などが挙げられます。

また、「RIA」をウェブサイトに設置することで、
・利用者に、使いやすいウェブサイトを提供していることで、親しみを持っていただける。
・申し込み・注文の入力間違が減るので、オペレーション効率が高まる。
・売上げの向上、ロイヤルティの向上などに有効
といったウェブサイト運営者側のメリットもあります。

最近では、誰もがインターネットを利用するようになっていますので、パソコンやインターネットの使い方に不慣れな人でも、ウェブサイトにアクセスして「情報を入手する」、「商品を購入する」ケースが増えています。
そうした人たちにとって、初めて訪れたウェブサイトで「正しく操作して入力する」ことが難しいと感じる場合もあるでしょう。
そのため、ウェブサイト運営者側が「正しく操作してもらうように案内する」技術を利用者に提供できる「RIA」は、今後ますます多くのウェブサイトに導入されていくことでしょう。

では、この「RIA」を、医薬品マーケティングにおいてどのように活用できるでしょうか。

どの業界であっても、ユーザーフレンドリーなウェブサイトは、ウェブマーケティングを行うための必要条件です。
これは医薬品マーケティングにおいても同様です。

すでに、製薬企業様で具体的取り組まれているケースも増えてきましたが、次のような例で活用することが考えられます。

・製品のディテーリングに「PIP」を用いて、図表やCGだけを掲載したHTMLに比べ、より親しみやすく、理解しやすい情報提供をおこなう。

・ウェブサイトの会員登録において「Ajax」によるスムーズな入力の促進をおこなうことで、アクセスから登録へのコンバージョン率を向上させる。

・利用者が選択した情報を、画面切り替えなしに表示することで、短時間でストレスなく多くの情報を見ていただけるような設計を行う。
(たとえば、複数の症例を見てもらいたい場合に、症例を画面の切り替えなしにみていただくことで、「使いやすいさ」をアピールできます。)

今後はコンテンツ内容の充実に加えて、こうした新しい技術を導入することで、利用者にストレスなくウェブサイトを閲覧していただくことが、より重要となってくると考えられています。

多忙な医療従事者向けに、情報提供をおこなう際には、よりホスピタリティの高いウェブサイトであることが重要となってくるでしょう。
そうしたウェブサイトを構築する際に、「RIA」のような技術が利用できることを選択肢の一つとしてご検討されてはいかがでしょうか。