医薬品マーケティングでも使える!プライミング効果とは?

今回は、久しぶりに心理学用語「プライミング効果」を取り上げます。

医薬品マーケティングやMRのディテール資材でも、
強いメッセージでドクターの記憶に残すことはとても大切。
プライミング効果は、そんな広告やメッセージの効果を上げるためにも使えます。

プライミング効果とは、あるメッセージや情報を伝える前に、
予め伝えたいことと関連のある情報を与えることで、
伝えたい情報を思い出しやすくなるという効果のことです。

例えば、「椅子」の写真を見せておくと、
「座る」という行動を喚起しやすいこともプライミング効果の1つです。
心理学では、ここで先に受け取る情報を「プライム」、
影響を受けるものを「ターゲット」と呼びます。
つまり、今の例では「椅子」がプライムで、「座る」ことがターゲットです。

プライム効果の他の例としては、連想ゲームなどの場合に、先に果物の話をした後、「赤という言葉から何が連想できますか?」と聞けばりんごやいちごなどの赤い果物が連想されやすくなることもその1つです。

プライミング効果は、いくつかの心理学の実験で
その効果があることが証明されています。

一例として、

ソファーを販売するウェブサイトで、

A:緑の背景に小銭を散らかしているイラスト
B:青の背景に雲が浮かんでいるイラスト

を見せた後にソファーを選んでもらう実験では、

Aを見た人は「お金」を思う浮かべ安いソファーを買った人が多く、
Bを見た人では「心地よさ」を連想し、安いソファーを買った人は少なかったのです。

こうした事例を知っていれば、マーケティング・コミュニケーションでも
プライミング効果を活用することが可能です。

プライミング効果を活用することで、到達させたいメッセージの中に
言葉、文章、写真、画像などを効果的に配置すれば、
関連する感情や行動を思い浮かべるようにすることができます。
その結果、メッセージで受け手の行動に影響を与えることができるのです。

プライミング効果は、過大評価はできないとも言われていますが、
そういった工夫を広告やメッセージに組み込むことは大切です。

医薬品マーケティングでも広告やビジュアル、メッセージ作成の際に、
プライミング効果を意識しておけば、より工夫もできるのではないでしょうか。

このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。