ピープル・ベースド・マーケティングと医薬品マーケティング

さて、今週は「ピープル・ベースド・マーケティング」を取り上げます。

パソコン、スマートフォン、タブレット、さらにはウェアラブル端末など
インターネットに接続できるデバイスの種類が増える中で、
デバイスを使い分ける人も増えています。

利用者の側からみれば、環境によってバイスを使い分けることができるのは
便利でありがたいですよね。

一方、デバイスの種類増加は、企業側のマーケティングでは課題が生まれています。
ご想像の通り、デバイス単位のデータと人単位のデータが
結びついていないことが課題となっています。

IDやパスワードなどで個人の認証が無い場合、
同じ人がパソコンからアクセスした場合とスマホからアクセスした場合では、
「違う人」と認知されてしまうのです。

こんな状況の中で、デバイス単位ではなく、
人単位で統合しようという動きが広まりつつあります。

ある意味当たり前の動きですが、
この人単位のデータをマーケティングに活かす考え方を、
「ピープル・ベースド・マーケティング」と呼びます。

これは、facebookが提唱した概念で、
同社は多くの個人データをユーザーIDに紐づけて取得しています。
そのため、デバイス単位ではなく人単位でデータの蓄積が可能です。

医薬品マーケティングの場合、医療従事者向けのウェブサイトは、登録制のものが多く、
パソコンからでもスマホからでも個人認証が可能です。
しかし、登録制ではない場合、デバイスが変われば同一人物かどうかはわからなくなります。

また、DTCマーケティングで活用する疾患啓発サイトの場合、
多くは登録不要なので、同じ課題がありますね。

また、デバイスだけでなくLINEをはじめとするSNSや
プラットフォームが増えれば、ますますデータの取得は複雑化します。

そんな中、デバイスの種類、さらにオンラインとオフラインに限らず、
IDを統合する仕組みがますます大切になってきます。

ピープル・ベースド・マーケティングの考え方自体は、だれも納得できると思いますが、
その課題解決には技術的な問題や個人情報の問題も残っています。
ただ、手をこまねているだけではなく、手を打ちつつある企業もあるようです。

これだけ、ウェブ上のプラットフォーム、デバイスが多様化する中で、
人単位でのマーケティングデータをしっかり集めることは大変ですが、
それを実現できればマーケティングが大きく進化しそうですね。

このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。