医薬品ウェブマーケティング成長のKPI!「AARRR」とは?

今回は、ウェブマーケティングを展開する際、成長プロセスごとに施策を考えるためのモデル「AARRR」を取り上げます。

これは「エーエーアールアールアール」ではなく、「アーモデル」と呼ばれています。イーコマースや会員制のウェブサイトでよく活用されるモデルです。

医薬品のウェブマーケティングでも、医療者向けは会員制の場合も多いので、このモデルを理解しておくことは、戦略を考える上で有用です。

AARRRは、

Acquisition : アクセス数やPV数等の増加を図り、ユーザーと接触する「あいさつ」のフェイズ。会員登録前の状態。

Activation : 興味をもってもらい、登録促進・会員化を図るフェイズ。コンタクトのパーミションを得た状態。

Retention : 利用頻度・閲覧頻度を増やす活性化フェイズ。より深いおつきあいを目指す状態。

Referral : 知人・友人を紹介してもらえるレベルを目指すフェイズ。ファンになりつつある状態。

Revenue : 収益の最大化を目指すフェイズ。利益をもたらしてくれるロイヤル顧客となっていただく状態。

の頭文字を組み合わせたものです。

このモデルは、アクセスを集め、再訪を促し、利用率を高め、紹介で会員をさらに増やし、収益最大化を目指す、という流れをモデル化して考えようというものです。

良く考えてみれば、これはウェブマーケティングに限らず、ビジネスでは当たり前の流れで、基本的な考え方です。

ウェブマーケティングでは、これらのプロセスごとにKPIの設定と測定が可能です。つまり、より精緻なモデル設計ができる点が大きなポイントです。

各フェイズにおける基本的な施策とKPIは、次のとおりです。

Acquisition
施策:MRによる告知活動、バナー広告・リスティング広告による露出拡大
KPI : アクセス数・直帰率等

Activation
施策:新機能追加、コンテンツ追加、MRによる新機能・コンテンツ紹介
KPI : 再訪問率・会員登録率・会員登録数等

Retention
施策:機能やコンテンツの「個別化」(属性や価値観分析で、ニーズにマッチさせる)
KPI : 滞在時間・PV数・機能の利用率など

Referral
施策:対話や参画型の企画で、紹介や拡散のしかけを実施
KPI : 会員紹介数・紹介率・拡散数・ユーザー医療者のブログ等における被リンク数や引用数

Revenue
施策:製品のプロモーションにつながるコンテンツの配信、上位利用医師へのDMとMR活動との組み合わせ
KPI : 会員医師の新規採用数・採用率・処方増等

このモデルは、自社のウェブサイトが今どのフェイズにいて、どの施策を重要視すべきか考える上で、ヒントを提供してくれます。

すべての施策を一度にやることはできないので、「今どれが一番大切か?」を考える上で、AARRRモデルを活用してみてはいかがでしょうか?