医薬品マーケティングでエバーグリーンコンテンツはどう作る?

さて、今週は前回に続き「エバーグリーンコンテンツ」です。

前回、エバーグリーンコンテンツがどんなものかを紹介しました。

エバーグリーンコンテンツとは、

「流行に左右されず、時間が経過してもその価値を失わない、有用なコンテンツ」

です。

今回は、製薬企業で今現在あるコンテンツをどうすれば、エバーグリーンコンテンツにできるのかを考えます。

まず、製薬企業や医療、医薬品関連の業界にかかわらず、

・流行の変化やテクノロジーの進化にも動じない

・1年後、2年後の訪問者にも内容が役立つ

・常に一定の検索ニーズがある

・誰にとっても人生のどこかで経験したり興味を持つことがある

・情報が変わる可能性が低い

などがエバーグリーンコンテンツの条件です。

そんな領域には、歴史、古い芸術、お金、健康、病気などがあります。

例えば、歴史的事実や古い映画、クラシック音楽などの情報は変わりませんし、「株式投資の始め方」などは一定のニーズがあり、ある程度までは決まった情報です。

もちろん、健康、病気も常に人々の生活にかかわる情報であり、エバーグリーンコンテンツとなりうるテーマです。

ですから、一般の方向けや患者さん向けのコンテンツに関しては、製薬企業は業界的にエバーグリーンコンテンツとなりうるテーマを扱っていると言えるのです。

しかし、どんな疾患でも

・症状
・疫学
・原因
・診断
・治療

といった範囲はカバーします。

そのため、どの企業が作っても医学的に正しいコンテンツは似通ったものになってしまいます。

そして、自社の疾患関連のコンテンツをエバーグリーンコンテンツにしようとした場合、常に同じ疾患領域の治療薬を持つ製薬企業、病院や他の医療関連企業のコンテンツとの競争にさらされるのです。

ではそんな競争の中で自社のコンテンツにユニークな価値を持たせることはできるのでしょうか?

そのためには、自社ならではの工夫や切り口の変更、オリジナリティを加えることが必要となります。

疾患関連や疾患啓発のコンテンツとして、考えられることを挙げると、

・患者さん本人向けと家族・知人向けでコンテンツを分ける
・疾患のコンテンツで可能なものは、男女・年齢別、季節などの切り口を加える
・画像や動画を加える
・医師や患者さんのインタビュー記事を加える
・専門医紹介や施設紹介などで、価値を加える

などがあります。

製薬企業の疾患啓発やDTCマーケティングでは、自然なアクセス数を増やし、企業ブランディングのためにエバーグリーンコンテンツを持つことは大切です。

しかし、扱うテーマ的に他社や業界の中での競争が激しくなります。

そのため、より多くの創意・工夫が必要なのです。

このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。