カスタマーサクセスは医薬品マーケティングに応用可能?

さて、今回は、最近、ソフトウェアなどの業界で話題になっている「カスタマーサクセス」

CSと略されることもあるので、Customer Support(顧客サポート)やCustomer Satisfaction(顧客満足)と混同しそうですね。

それでは、「カスタマーサクセス」とは何でしょうか?

カスタマーサクセス(Customer Success)を日本語に直訳すると「顧客の成功」です。
その名の通り、顧客の成功体験づくりを支援する重要な概念です。

カスタマーサクセスによく似た概念に、カスタマーサポートがあります。

これは、受動的なアクションでサービスや製品への疑問や質問への対応、クレーム処理・不満解決を行うものです。

一方、カスタマーサクセスのアクション起点は顧客ではなく企業側です。
その目的は、顧客の成功体験の支援で、KPIは売上向上や解約率低下です。

最近では、ソフトウェアなどの多くのサービスでは、売り切りではなく月額課金型のサービスが増えています。
つまり、契約開始はゴールではなくスタートなのです。

かつては、そのサービスが問題なく提供されれば良かったのですが、今では顧客がそのサービスによって自分のビジネスを成功させることが大切になってきました。

そんな顧客のゴールを理解して、成功体験のサポートをするのがカスタマーサクセスです。

先ほども触れたように提供すれば終了の売り切り型のビジネスから、月額課金型のサブスクリプション型のモデルが増えてきたことがカスタマーサクセスが注目されるようになってきた背景です。

さて、医薬品に目を転じてみましょう。

医薬品の販売は売り切りですが、一度採用されると一定期間は定期的な購入が続きます。
だから、カスタマーサクセスの概念は応用可能です。

また、MRによるディテールやウェブマーケティングによる情報提供もある意味、カスタマーサクセスに近い活動です。

ただ、まだ活動のゴールが医薬品の採用や処方促進の色合いが強いと思います。

医療現場での医療者の成功は、患者への治療の成果です。
その点では、まだMRによるディテールやウェブマーケティングのあり方を改善する余地があるのではないでしょうか?

次回は、カスタマーサクセス成功へのポイントについて考えてみます。

このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。