医薬品マーケティングに最適!コンテンツマーケティングとは?-Part2

さて、今回は「コンテンツマーケティング」の2回目です。

コンテンツマーケティングとは、利益に結びつくように見込み客を購買行動に導くことが目的です。そのために明確に定められた見込み客を引き寄せ、獲得を目指し、価値の高い適切で一貫性のあるコンテンツを創造し、普及させるマーケティングの技法です。ブログ・フェイスブック・YouTubeなど、多数のウェブ上のプラットフォームを活用して展開します。

コンテンツマーケティングは、DTCマーケティングの実践に大きな期待が持てると思いますが、今回は、その効果のポイントを取り上げます。

1)費用対効果の向上
DTCマーケティングにおける疾患啓発は、その手段の1つとしてマスメディアが良く使われます。より社会の広く疾患を認知してもらう手段としは適切ですが、多額の費用が必要です。また、広く伝わる一方、ゴールを「受診」とした場合に、CPVD(Cost Per Visiting Doctor=「費用/1受診」)は、高くなる傾向があります。一方、コンテンツマーケティングは短期で爆発的な効果は期待できなくても、「コンテンツ」を作り、様々なウェブ上のメディアや検索エンジンを使えば良いので、マスメディアと比べればCPVDが下がる効果が期待できます。

2)ターゲット精度の向上による効率アップ
コンテンツマーケティングでは、多くの方が検索エンジン経由でコンテンツやウェブサイトを発見します。つまり、予め疾患に何らかの興味を持っている、あるいは、家族や自分自身に問題があるなどのケースが大半で、最初からターゲティングされている可能性が高いのです。結果的に、ターゲットの精度は向上し、CPVDが下がる可能性が期待できます。

3)インタラクションによるLTVの向上の可能性
ウェブサイト・ブログ・フェイスブックなどをうまく設計することで、コンテンツを見た人から意見や質問をもらえる可能性を高めることができます。そうした人々との「対話」は、疾患への理解をより深めてもらうことが期待できます。
その結果、一定水準以上の知識を持って受診に臨めるので、主体的に治療へ参画する可能性が高まり、LTV(Life Time Value)の向上が期待できます。

4)情報拡散による効果アップ
ウェブサイト・ブログ・フェイスブックなどをうまく活用すれば、コンテンツを見た人自らが行う情報拡散に期待することができます。最近では、ある特定の疾患を持った患者さんが、自分の病状や疾患の詳しい情報をブログなどで配信するケースもあります。そうした人々は発見した良いコンテンツを、読者に紹介するケースが多々あります。そして、その読者も同じ疾患の方が多いため、結果的にターゲットを絞った
情報発信をしたことになるのです。さらに、費用は発生しませんので、CPVDを下げる要素となります。

5)SEOへの好影響による効果アップ
良質のコンテンツを継続的に追加することは、そのウェブサイトの検索順位アップの可能性を高めます。つまり、結果的にSEO対策になり、コンテンツを見てもらえる可能性も高まるのです。たとえば、GoogleやYahooで「糖尿病」と検索した結果、トップ表示されればクリックされる確率は格段に上がります。これもコンテンツの追加コスト以外には、費用が発生しませんので、CPVDを下げる要素となります。

6)数値管理
コンテンツマーケティングは、自社メディアへの訪問者の情報入手が容易です。アクセス解析をすれば、自社メディアへの
・流入経路
・流入キーワード
・閲覧ページ
などが、全て把握できます。
そのプロセスがクリアになるとともに、効果検証の数値化を迅速に実現することが可能です。つまり、PDCAのサイクルの高速化が期待できるのです。

7)継続によるNo.1ポジションの獲得
コンテンツマーケティングは、イベント的な即効性のある手法ではなく、じっくりと地道にコンテンツを増やすことで、成果を上げることを期待するものです。そのため、成果を得るまで、ある程度の時間はかかります。しかし、コンテンツを継続すれば、それが様々なウェブ上のメディアに半永久的に掲載されます。早期に開始し、コンテンツを蓄積し続ければ、競合他社が追いつく可能性は低くなり、最初から追いつくことを諦めるケースも増えるでしょう。

このようにコンテンツマーケティングは、DTCマーケティングに応用しても、有効なポイントが多数あります。コンテンツの質の担保や拡散におけるリスク分析と事前の対策など、慎重に検討するポイントもありますが、今後、期待できるDTCマーケティングの選択肢の1つになるのではないでしょうか。