医薬品マーケティングに最適!コンテンツマーケティングとは?-Part1

さて、今回は「コンテンツマーケティング」を取り上げます。

コンテンツマーケティングは、日本ではまだなじみのない言葉ですが、アメリカではB to B 企業もB to C 企業もその90%以上が取り組みだしたと言われている、今、最も注目を浴びているマーケティングの1つです。

アメリカにはContent Marketing Institute (CMI) というこのマーケティングの啓発のための協会がありますが、その定義によると
「Content marketing is a marketing technique of creating and distributingvaluable, relevant and consistent content to attract and acquire a clearly defined audience ? with the objective of driving profitable customer action.」とあります。

翻訳すると、「コンテンツマーケティングとは、利益に結びつくように見込み客を購買行動に導くことが目的です。そのために明確に定められた見込み客を引き寄せ、獲得を目指し、価値の高い適切で一貫性のあるコンテンツを創造し、普及させるマーケティングの技法である。」となります。

コンテンツマーケティングの中心は、その名のとおり「コンテンツ」です。しかし、医薬品マーケティングに携わっている方にとっては、「何を今更?」というように感じないでしょうか。

ご承知のとおり医薬品は「情報」の塊ですから、医薬品マーケティングにとっては、従来から「コンテンツ」は極めて重要で、どの企業も「ターゲットに良質なコンテンツを提供する」ことに注力しています。そのため、「コンテンツ」の重要性は十分に認識されていることでしょう。

一方、消費財などの「マス広告」中心の業界では、その比重はそれほどでもありませんでした。しかし、近年、「コンテンツ」の重要性が認識され、このコンテンツマーケティングを実践する企業が増えてきたのです。

その理由は、マス広告の費用対効果の低下にありますが、それ以外には以下の3つが考えられます。

【生活者の情報リテラシーの向上】
今や、ウェブ等で様々な情報が入手できるようになり、生活者は企業からの一方的な情報を信用しなくなってきました。そのため、第3者や専門家など、様々な立場からの情報を入手し、吟味した上で、購買の判断を行うようになってきました。
⇒生活者にとって、広告で目に触れる以外の「信頼できるコンテンツ」の重要性が高まっています。

【ウェブ技術とソーシャルメディアの進歩】
ブログの「読者登録」などによる情報交換、フェイスブックのシェア、ツイッターによる情報発信等が普及することで、生活者にとって興味深く、有用なコンテンツが、一瞬で拡散したり、共有されるようになってきました。また、コンテンツの作成を除けば、そのコストは極めて0に近くなっています。
⇒工夫次第で「コンテンツの流通コスト」を極小化することが可能になっています。

【検索エンジンの高次化】
グーグルが、良質なコンテンツを掲載しているメディアをより上位に表示することを目的に、機能を高め続けています。つまり、良いコンテンツを継続的に提供できる企業のサイトが、より多くの生活者に触れる機会が増えています。
⇒良いコンテンツを継続的に提供する企業が報われる状況になってきているのです。

こうした状況の中、興味深く有益な情報(コンテンツ)を、継続的に、見つけてもらいやすい場所(メディア)に提供し、共感・信頼を得るような、生活者を購買行動に導く「仕組み」が、極めて重要になってきたのです。

最近では、YouTube・フェイスブックほか、コンテンツのプラットフォームとして無償で活用できるものがたくさんあります。そのような環境がある現在、費用の必要なメディアで広告や記事広告を展開せずとも、ウェブ上であればより低いコストでコンテンツマーケティングが実践できるのです。

医療従事者向けの医薬品マーケティングにおいては、オープンかつフリーな情報提供ができない部分もあり、コンテンツマーケティングをそのまま展開することは難しそうです。しかし、DTCマーケティングでは「疾患啓発サイト」だけでなく、ブログ・フェイスブック・YouTubeなど多数のプラットフォームを活用して、戦略的にコンテンツマーケティングを仕掛けることが可能です。

次回は、その際のポイントを取り上げます。