医薬品マーケティングのための心理学を使ったコンテンツライティング

さて、前回は、医薬品マーケティングやDTCマーケティングにおける「コンテンツ」や「メッセージ」で、「初頭効果」と「新近効果」が活用できることを取り上げました。

初頭効果は、受け手が、情報を処理する意欲が高い時に、起こりやすく、新近効果は、逆に、受け手が情報を処理する意欲が低いときに起こりやすい、ということが原則でした。

今回は、この基本をいかに医薬品マーケティングでの採用プロセスやDTCマーケティングでの受診促進に活かせるかを考えてみます。

この2つの効果の原則は、広告と自然検索でコンテンツの構成を変えることが必要であることを示唆していると考えられます。

疾患啓発において、新聞やウェブのバナーなどで「広告」をしかける場合、読み手である「潜在患者さん」は、どちらかと言えば、情報を処理する意欲は低いと言えます。

だから、広告のコピーの構成は、前半に受診の必要性や疾患の詳しい情報を配置するより、比較的簡単な内容で後半へとつながる「軽め」のコンテンツを配置し、後半に深い情報や受診の重要性を強い言葉で伝えれば、「近親効果」がはたらく可能性が高まるでしょう。

一方、自然検索、つまり、自分で疾患の情報を検索して、コンテンツにたどり着いた潜在患者さんは、情報を処理する意欲が高いと言えます。

だから、この場合はコンテンツの最初から、受診の必要性や疾患の詳しい情報を伝えれば良いのです。
つまり、検索で入ってきた潜在患者さんは、初頭効果がはたらくことを前提とした構成を考えれば良いのです。

これは、ドクターをターゲットにしたディテールやコンテンツでも同じですね。

もとから特定疾患や薬剤に興味を持っていそうな専門医などには、最初からコアとなる情報を伝えれば良く、逆に、そうでない医師には、最初は軽めのお話をしておいて、最後に伝えたいメッセージをしっかり伝えれば良いのです。

このように、同じ内容を伝えるにしても、相手の状況を知り、心理学の要素を少し知っていれば、効果が変わる可能性もあります。
医薬品マーケティングでも、こうした心理学をうまく実践で活用することは大切ではないでしょうか。

この記事が、医薬品マーケティングやDTCマーケティングのお役に立てれば幸いです。