「ドリルを売るには穴を売れ」 佐藤 義典

「顧客は1/4インチのドリルが欲しいわけではない。1/4インチの穴が欲しいのだ」
これは、マーケティングの大家故セオドア・レビット博士の言葉であり、マーケティングの本質である「顧客はモノそのものではなく、モノやサービスによって得られるベネフィットを求めている」ことを言い表した言葉です。
本書のタイトルは、この有名な話からとったものだと思いますが、本書はまさにマーケティングの本質について、そのエッセンスを非常にシンプルにわかりやすく昇華させた書籍です。
構成としても、解説と実体験を参考にしたストーリーで仕立てられているので、物語がどう展開するかも楽しみながら読むことができます。
また、物語を読みながら自分が主人公ならどうするかを考えながらマーケティングを学ぶことも可能です。

著者の佐藤氏は、私自身も愛読させて頂いているマーケティングに関する非常にレベルの高いメールマガジン「売れたま!」の作者でもあり、こちらも併せて読まれることで、「マーケティング脳」(著者の言葉)が一層、鍛えられるでしょう。

物語に引き込まれてあっというまに読めてしまえる本書ですが、本書を読みながら医薬品マーケティングへどのように活かせるか?あるいは、マーケティング全般の中で医薬品マーケティングの特徴や制約はどのようなものがあるかについて考えてみることで、新たなマーケティング上のヒントが得られる可能性があるように思います。

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