ビジネスの世界では、「過去」において、相対的に良く起こった事象をもって「常識」とするケースが多々見受けられます。しかし、著者は、『ビジネスとは、所詮「うつろいごと」、はじめから唯一の正解などないのだ。』と喝破し、「自分の頭で考えること」の重要性を説いています。
本書は、ベストセラーとなった「現場力を鍛える」「見える化」などの著者である遠藤功氏の最新書で、「戦略」「マーケティング」「オペレーション」「人材活用」「マネジメント」の5つのカテゴリーで、60項目の「常識」とされている項目を取り上げ、それぞれについて、反証を提示しています。
私たちは、その道の専門家、権威のある人の話や書いた本、マスメディアで取り上げられるビジネスに関する話題を無邪気に「信じてしまう」ことが往々にしてありますが、2次情報や3次情報に頼って判断することは、誤った判断を下すことにもなってしまいます。
こうしたことを避けるために、ポイントとして著者は次の5つを挙げています。
1.貪欲に勉強して、まずは常識を学ぶ
2.学んだ知識をベースにして、自分の頭で「考える」「判断する」ことを常に意識する
3.「2次、3次情報ではなく、自分の五感で集めた「一次情報」を大切にする
4.データは「事実の一部」にすぎないと認識する
5.自分の「主観」を最重視する。
さて、本書で挙げられているいくつか項目を挙げておきますので、ご自身の業界や会社、あるいは医薬品業界、医薬品マーケティングでどうなのか?を一度、考えてみてはいかがでしょうか?
●合理的な戦略があれば競争に勝てる?
●シェアより収益重視?
●シナジーを追求すべき?
●日本企業も積極的にM&Aを進めるべき?
●セグメンテーションすれば、効率的なマーケティングができる?
●御用聞き営業はいらない?
●顧客への訪問件数を減らすと売り上げが落ちる?