「誰も知らなかったケータイ世代~ケータイが変える若者マーケティング~」 市川 茂浩

デコメール、プロフ、モバゲータウン、アバター・・・これが何のことだかわかりますか? 私は、どれ一つ知りませんでした。中学生の娘に聞いたら、全部知っていましたが・・・

本書は100万人の会員を保有する携帯電話専用のテレビ局Qlick.TVを運営する?フロントメディア代表の市川茂浩氏によるもので、今の若者の携帯電話の活用の実態、携帯電話との関わり方、携帯ビジネスの最新事情などに触れられています。

本書に示されている携帯電話に関する使用状況他のデータから、携帯を巡るビジネスやマーケティングが、大変なスピードで進化していることがわかります。
30歳未満の若者にとっての携帯電話は、まさに自分の「分身」のようであり、彼らの考え方、行動、ニーズは携帯電話を通して、見えてくるようです。

市川氏は、本書の中で、若者を攻略するための「ケータイユーザー5原則」を次のとおり挙げています。

原則1 若者は、ケータイでいつでもつながっていたい!
原則2 若者は、ケータイで何人もの役割を演じたい!
原則3 若者は、ケータイで稼ぎたい!
原則4 若者は、ケータイで秘密を持ちたい!
原則5 若者は、ケータイで自己主張したい!

この5つの法則を理解することで、若者の価値観行動を理解する上で、随分参考になりました。

さて、今年3月のPBA医薬マーケティングアカデミーでも「モバイル時代のマーケティング戦略~医薬品企業への提言~」という講義が取り上げられましたが、医薬品マーケティングにおいては、こうした若者がターゲットとはなりませんし、また、院内の規制等による携帯電話を活用したマーケティングはまだ活発に行われているとはいえません。

しかし、携帯を取り巻くテクノロジーやシステムの変化、今の若い医師が近い将来の処方のコアターゲットになることを考えると医薬品マーケティングのツールの一つとして、携帯電話を無視することはできなくなるでしょう。

その点からも、本書を通して、携帯電話を取り巻くビジネス事情を理解しおくことで、近い将来の備えになるのではないでしょうか。

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