「android」とは

Googleは、2007年11月5日、携帯電話用のOS(基本ソフトウェア)「android」のリリースを発表しました。
もしかすると、このニュースをご覧になった方もおられるかもしれませんね。OSとはパソコンで言えば、「ウィンドウズ」や「マックOS」のことで、エクセルやワードといったアプリケーションソフトを稼動させるための基本となるソフトウェアのことです。
今回、Googleは、携帯電話の基本ソフトウェア「android」を開発し、携帯電話メーカー各社に『無償で提供する』と発表したのです。巷では、『Googleがアップル社の「iPhone」のような「ハードウェア」を開発している』という噂があったのですが、実際に発表されたのは「携帯電話」そのものではなく「携帯電話用の基本ソフトウェア」でした。

Googleは、「android」そのものだけでなく、その上で稼動する「電話・アドレス帳」、「メール」、「ウェブブラウザ」、「スケジュール管理」、「ゲーム」といった多くのアプリケーションソフトウェアも同時に無償で提供すると発表しています。

これは何を意味するのでしょうか?

無償で提供される「android」を導入すれは、携帯電話メーカーは、今後は、アプリケーションソフトウェアにも注いでいた開発資源を電話機本体に集中することができます。

但し、Googleは、「無償提供」の条件として、携帯電話に「Googleのスポンサー広告を表示する」ことを求めています。
つまり、Googleは、パソコンの検索サイトで成功した戦略と類似のビジネスモデルを携帯電話でも実現しようと考えているのです。

今後、携帯サイトによる広告や物販は、ますます増加することが確実ですから、Googleにとっては、いち早く新たな市場機会をとらえたいと考えているのでしょう。
さて、それではGoogleの思惑どおり、ことは進むのでしょうか?

現在、携帯電話の基本ソフトウェアには「Symbian」という、パソコンでいえば「ウィンドウズ」のような存在があります。
また、携帯サイトを使う度に、広告が表示されることを嫌がる利用者への配慮もいるでしょう。
こうした背景から、携帯電話メーカー各社は「android」の導入には慎重で、いまのところ静観しているようです。したがって、ただちに世界中の携帯電話に搭載されるということにはならないようです。

しかし、今回のGoogleの動きは、少なからず携帯サイトに関わるビジネスやマーケティングに影響を与えると考えられます。

それについて、整理してみましょう。

これまで、携帯サイトでは、携帯電話会社(DoCoMo、au、ソフトバンク)の「公式サイト」になることがアクセスを増加させる主な方法でした。
「公式サイト」とは、携帯電話会社に申請を行い、認定されると、各携帯電話会社のポータルサイトで「公式サイト」として紹介されるというものです。
携帯サイトの運営者の多くは、「公式サイト」として登録されることに注力してきましたが、これは、多くのユーザが「検索」ではなく「携帯電話会社の紹介」によってウェブサイトを訪問していること意味し、PC上のウェブサイトのユーザの動きと異なるものでした。

こうした状況の中、一つの変化が起こりました。
2007年4月にサービスが開始された「顔チェキ」という自分や友人の顔がどの有名人に似ているかを判定してくれるウェブサイトが、3000万アクセスを集め、大ブレイクしました。
この携帯サイトは、携帯電話会社の公式サイトではありませんでしたから、携帯ユーザは他にも面白い「非公式サイト」を見つけようと「検索エンジン」を活用するようになってきたのです。
これをきっかけに、携帯ユーザがパソコンでの「キーワード検索」に近い動きを始めたのです。

今回のGoogleの発表は、こうした携帯電話の検索サイト利用が急増した流れを受けてのものだと思われます。

このように、携帯電話検索サイトの利用の拡大が進みつつありますが、そろそろ医薬品マーケティングへの活用も本格的に考えるべき時期かもしれません。

これまで、コラムでも携帯電話のマーケティング関連の内容を取り上げてきましたが、当社でもすでに携帯ウェブサイトを活用したプロジェクトを開始しつつあります。

携帯電話は、病院内での使用が制限されている上、表示可能な情報量も医学・薬学の専門情報を表示するには不十分な場合が多く、医師向けのマーケティングでの活用は時期尚早だとの考えもあります。
しかし、若手医師などは勤務以外では携帯電話に接触する機会も多いでしょうから、使用時間帯や特定のターゲットなどに絞った活用も考えられます。
また、医療消費者向けマーケティングにおいては、携帯サイトの閲覧者数の増加と相まって、携帯電話で疾患・医薬品の情報を閲覧したいといったニーズは、高まっていくでしょう。

今後、携帯サイトが増えれば、単に医療・医学系コンテンツを掲載するといったシンプルな方法だけでなく、PCで見るウェブサイトと同様に、携帯サイトでのSEOなどアクセス増加の対策も重要になってきます。
今後、ますます利用が拡大すると思われる携帯電話でのウェブサイトですが、その環境は日々、変化・進歩しています。

そうした点を考えれば、いち早く「実験的なプロジェクト」を始めながら経験やノウハウを早く蓄積するべきではないでしょうか?

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